裁判

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裁判所に行ったことありますか?

実は、、、自分は何度も行ったことあります。

10年以上前に痴漢、5年前位に住居侵入罪&窃盗罪、3年前位に暴行罪と詐欺罪などなど。

今、思い出すと”非常に濃密な時間”だったという記憶だ。

もちろん被害者でも加害者でもなく、ただの傍聴者としての訪問である。

 

世の中には裁判傍聴マニアのような人もいるが、裁判傍聴はとても社会勉強になると感じる。

そもそも裁判の公開って憲法で保障されているから、基本的に誰でも「民事裁判」&「刑事裁判」の法廷を傍聴することができる。

世間の注目を集める事件の場合は、裁判傍聴の希望者が多くなるので抽選方式になる。商店街の抽選券と同じようなシステムだ。

元プロ野球選手の男気ジャンケンに出場してた人の覚醒剤による初公判は、たった20席の傍聴券を求めて並んだ人は約3700人以上にもなる。引き当てるのは0.5%。200人に1人の確率だ。

 

実際の裁判は、検察側と弁護側がそれぞれ証拠を基に主張し審理を進めていく。

証拠の種類は「物証」「書証」「人証」の三つに分かれ、順に信用度が高いとされている。

刺した凶器を大勢で探し、DNA鑑定などが「物証」

契約書や領収書などは「書証」(偽造の可能性アリ)

参考人など証人としての発言が「人証」(記憶が曖昧であったり、嘘を言う可能性アリ)

 

傍聴者として聞いていると、どちらの主張も納得してしまうほどの話術なのだ。

証拠を揃え、時系列に分かりやすく説明をする。

非常に単純なことであるが、このスキルは仕事に活かすことができる。

「詳しくは調べてないけど〇〇だと思う」じゃ通用しない世界。

自分の意見を理路整然と話せるようでなければならない。

ということで、裁判傍聴未経験の若手社会人を何度か研修ということで裁判所に連れて行ったことがある。

 

テレビドラマでは演出があるので実態とかけ離れているが、検察側の被告人への追い込み方が半端ではない。

実際に現場で傍聴した内容で、社会人になりたての男性が女子高生に痴漢をした裁判での出来事。

と、その前に、、、

裁判って「私がやりました。ごめんなさい。」と罪を認めたとしてもそこで終わりではないんですよ。

被告人が今後も再犯しないような環境にいるかどうか? 更生できるような環境なのか確認をするのだ。

 

「レンタルビデオ店で〇月〇日に女子高生モノのエロビデオ、タイトルは〇〇〇〇を借りてました。被告人はそのような性癖があるとしたら、再犯の可能性はあるのではないか?」

検察側がこんな質問をしているのは、痴漢をした社会人なりたての20代男性に向けたものではない。

証言台に立たされた50代くらいの男性に向けてである。

この男性は、、、加害者と同居している父親だ。

同居している親なので、今後更生させる参考人となり保護観察のような重要な役割もある。

20代男性は罪を認め何度も何度も謝罪をして、裁判中でも嗚咽しながらも泣き崩れており、傍聴席には母親であろう人もむせび泣いている。

そして、罪を犯した親として痛烈な質問責めをされた父親も「申し訳ございません。」と何度も頭を下げて謝罪している。

が、謝っていることに対して特にコメントはなく”質問したことだけに答えろ”という雰囲気である。

白旗を揚げている人間に対しても、容赦なく完膚なきまでに叩きのめす姿には鬼気迫るものがある。

 

痴漢という罪により仕事を失い前科者になり、行為に至るまでの経緯や他人に知られたくない秘密まで公開され、両親に一生迷惑をかけ続け、一生痴漢のレッテルを貼られ、好奇の目にさらされ続ける。

これが、現実である。

 

初めて傍聴した時から、高校生や大学生には教育の一環として裁判傍聴をした方がいいのでは?と考えている。

また、年齢に限らず裁判所を訪れたことがない人には勧めたい。

世の中のルールを破った時の容赦ないペナルティを目の当たりにすれば、「軽い気持ちで…」なんてことは思わないだろうし、多少なりとも犯罪の抑止効果に繋がる。

日本の法に触れる機会は、必要な時だけ勉強やインターネットで調べたり、メディアを通じて見聞きするケースが多く、法律に縛られて生きている感覚はない。どこか他人事のように感じている人が多いだろう。

だが、法に裁かれた者を目の当たりにした時には、少なからず法に対する向き合い方が変わるはず。

 

もの凄く緊張感があり、非常に空気が重い場所。

裁判所に行ってみてはいかがでしょうか??

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