BYD

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中国の電気自動車『BYD ドルフィン(DOLPHIN)』を購入しました。

きっかけは、日経新聞で掲載されていたBYDの「Go!Go!Go!EVキャンペーン」の記事。
「2025年9月中に成約すれば、最大117万円の補助金が出る」という魅力的な内容に『実際のところはどうなの?』という好奇心が湧き、最寄りのBYD店舗へ「Go!」しちゃいました。

BYD(比亜迪汽車工業有限公司)は、1995年に創業した中国の新興企業で、今や世界企業トップ100入りを達成した企業。携帯電話のバッテリー製造から始まり、EV、バス、鉄道まで手がける巨大メーカーに成長。2023年にはトヨタを抜いて世界最大のEVメーカーとなり、最近では、販売台数でテスラを抜く勢いで、中国国内だけでなく、ヨーロッパや東南アジアでも急速にシェアを拡大しています。特に欧州では、環境規制の強化を背景にEV需要が急増。ドイツ、フランス、ノルウェーなどで販売を拡大し、『中国車』というより『世界のEVブランド』として認識されつつある。日本には馴染みのないハンガリーに欧州統括本社と研究センターを建設する計画も進んでおり、ヨーロッパ市場への本気度が伝わってくる。

世界では快進撃を続けるBYDですが、日本市場では苦戦しています。
理由はいくつかあります。

①中国製に対するネガティブなイメージ
一番はコレでしょう。
中国製は『粗悪品』とか『怖い』という先入観が根強いことが影響している。
走ってたら急に止まるんじゃないか? 車が発火して燃えるんじゃないか? 情報が抜き取られるんじゃないか? など、ありとあらゆる負のイメージが付き纏う。

②品質と信頼性
長い歴史と信頼を築いてきた国産車メーカーには安心感が持てますが
中国製は、素材や耐久性などの品質基準や長く乗ったデータが少ないため信頼性に欠ける。日本国内メーカーが築いてきた信頼の厚さは参入障壁となる。

③アフターサービス体制への不安
購入までは良い顔してて、その後のケアはどうなのか。
故障した際の修理やメンテナンス体制は充分なのか? 対応が悪いのではないか? 部品の供給はどうなのか?

④販売拠点が全国的に不足
2025年末までには、全国100店舗を目指していますが、日本国内メーカーのように全国各地に営業所が存在していません。最近では、イオンと販売提携しましたが、エリアによっては試乗する機会が限られているのが現状。

⑤リセールバリューの不透明性
中古車市場での実績が少ないため、将来的に売却する際の価値が不明であるという懸念。

⑥バッテリーの安全性への懸念
BYDは自社製バッテリーを使用していますが
EV全般の火災リスクは? バッテリーの消耗が激しいのでは? フル充電しても100%にはならないのでは?
スマホのバッテリーで起こるような不安。

⑦EVを支えるインフラ整備
日本国内には、ガソリンスタンドのように手軽に充電できる場所がまだ少ないです。
また、家庭用充電設備の設置にもコストやスペースが必要となる。

挙げてみると、たくさんありますね(笑)

しかし、視野を世界に向けると急激に成長し、販売台数も伸ばしている。単純にそのギャップも知りたいし、ネット上の情報だけではなく、フラットな目線で”自分がどう感じたのか?”を体感することが必要だと感じた。新しい技術によって自身の考え方もバージョンアップするかもしれないし、時代の変化を実感できた方がより”リアル”を感じることができる。

では、実際に自分はどう感じたのか?
車を見て、乗って、触ってみると「これって、本当に中国の車なの?」と思うほど、完成度が高い。
内装はシンプルで質感も良く、静粛性も優秀。発進時のトルクもスムーズで、国産車と比べても遜色はない。
加速は2000CCのターボ車のように力強く、走り出しも滑らかでハンドル操作も軽い。車内も快適でカメラの画質が良く、タブレットが標準装備でスマホ連携や音声操作ができる。オプションでカラオケ機能もあるらしい。

さらに、接客してくれた担当者の対応が非常に良かった。
20代中盤の元気の良い日本人男性で、質問に対する回答が的確であり、分からないことはすぐに調べてその場で回答。「お客様からどのような質問が来るのか?」を準備しており、会社側で事前教育しているのが伝わってきた。

EV車が普及した時のために、自宅には200Vの充電設備を設置しておいたのだが、BYDの充電ケーブルが対応しているか不安だと伝えたら「試乗ついでに、これから確認してみましょうか?」と、わざわざ自宅まで同行してくれた。その道中に運転&操作をし、助手席で一生懸命説明してくれた姿勢に心打たれた。

ということで、その日に成約(笑)
気になる購入価格は、、、
キャンペーンをフル活用&ちょっとだけ交渉して、補助金等差し引いた金額で税込220万円。
おまけに納車は、成約後の約1ヶ月とスピーディーでした。

まだ走行距離は少ないですが、納車後の情報を。
満充電で400km走行可能。
充電コストは1,200円~1,500円。約3~4円で1km走れちゃいます。
家庭用200Vでフル充電するのに16時間くらい。(急速充電設備では時間短縮となりますが、料金は割高)
専用アプリから乗車前に、クーラーやシートヒーターなど点けておくことも可能。
費用対効果も含め、とても満足しております。

ユーザーとなって、改めて欧州での販売が好調なのも頷けます。
そして、車業界だけでなく、あらゆる分野で国際競争が行われていることを肌身で感じました。

今回は、キャンペーンのタイミングや良い担当者との出会いなど、巡り合わせも良かったです。
世間の評判より、自分の感覚を信じて選択する。そんな買い物も悪くないですね。
5年後は、EVが主流になっているのか?
猛暑に耐え切れず、バッテリーが発火して車が炎上しているのか?
どうなっているのかわかりませんが、これから楽しませてもらいましょう。

最後に、なんで『BYD』なのか?

その答えは、車体に書いてありました。

『Build Your Dreams』 

おぉ。。。
『あなたの夢を築く』という意味でした。

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